有限会社ベッセル(獣医環境衛生研究所)(北海道)トップリーダー
代表取締役 梅原 健治
北海道第一(石狩)地区札幌支部支部 大学酪農学科・獣医学科 酪農学科:1976年 / 獣医学科:1994年卒
会社設立後8年を過ぎました。設立当初から世界的に環境問題が避けて通れない事態を想定し、社会にどの様に貢献していけるのであろうかと考えた結果、獣医学を基本概念に環境衛生を踏まえた仕事内容に従事することが的確と判断しました。
獣医療は治療を行うことが今までの概念でしたが、病気になる前の予防がこれからの医療として大切なことではないでしょうか。それには生活環境が大事であり、その状態の調査などをすることによって改善して行けます。
病になりづらい環境づくりをすることと免疫の抵抗力を強化することが大切になります。小動物も今、現代病、いわくアレルギー、皮膚疾患、歯槽膿漏、肥満等々ヒトの世界と類似した病が横行してきています。これらも生活習慣を改善し、その予防にて解決して行く事が大事であると考えます。野生動物と人間社会とのかかわりも獣医と環境が深く関っています。
産業動物の間でも健康な家畜とヒトとの関わりに関与出来るものです。人畜伝染病(ズーノーシス)が世界に蔓延してきています。その大半がヒトの行為で拡がってきた経緯があります。
今、正に世界大流行の予兆として新型鳥インフルエンザがあります。会社立ち上げ当初、畜舎の石灰塗布事業に携わりました。従来からの石灰塗布は生石灰を使用したため熱による火傷、ノズルの詰りがあり、作業従事者にとっては厄介なものでした。自分自身も火傷を負い、作業性の不具合から石灰メーカーとタイアップした商品である「ドロマイトホワイトD」という熱の出ない塗布用石灰を考案しました。昨年宮崎県で発生した鳥インフルエンザでの石灰消毒はこの製剤が約一万袋使用され終息となったものです。実際に商品企画したものが世に役立ち、防除できたことがなによりの嬉しさです。
現在、JA、乳業メーカーからの依頼で「耐熱菌の調査」を北海道十勝地区中心に年間700件程の生産者を訪問しています。常に現場に従事していることにより、生産者・関係機関から「このようなものはないか・・・」とか、「こんなものを作れないか・・・」などの問いから発案した商品群が現在12品あります。現場の皆様からの声で出来た商品が生産現場で活かされていることに生き甲斐を感じます。それを提案して頂いた諸兄に感謝しています。
「動物とヒト」との関りに獣医としての仕事があり、食の安心・安全に貢献できてこそベッセルの役割と考えています。
今後ともご指導、ご鞭撻賜りますことよろしくお願い申し上げます。(HPより転載)