ホロシリ牛乳/石山牧場鈴の鳴る道(北海道新冠町)
起業家

石山  翔
とわの森三愛高校普通科/酪農学園大学食品科学科 2005年卒/2009年卒

「ポロ・シリ」。
アイヌ語で「大きな山」を意味する日高山脈の主峰・幌尻岳(ほろしりだけ)から、流れ出す雪どけ水が大地を潤します。新冠町は面積の77%を森林部が占めており、牧場地帯は町内のわずか0.5%に過ぎません。しかし、厚別川や新冠川など河川の沖積地を覆うのは、肥沃な褐色低地土と灰色低地土。加えて斜度3〜8度の緩い傾斜地が、牛馬の放牧に利便性を与えているのです。
日高・新冠地方は道内でも雪が少なく、冬季の気温も穏和に推移。年間で2000時間弱の日照時間を持つ、恵まれた土地です。また、海から吹く潮風によって病害虫の発生が抑えられるのも、畜産業が栄えた理由のひとつ。

夕方、判官岬に陽が沈む。日高屈指の絶景スポットであり、北海道でも珍しいオオバナノエンレイソウの大群生地として知られます。
一般に市場に出回る牛乳は120℃×2秒のウルトラ高温殺菌処理が施されています。大腸菌は死滅しますが、牛乳には独特のこげ臭が残るため、この味が苦手という人も。石山牧場のこだわりは低温殺菌。75℃の殺菌温度が、本来のうまみと栄養たっぷりの牛乳を生み出す秘訣です。

北海道新冠町。サラブレッドの故郷で有名なこの町は酪農地帯でもあります。生産調整で牛乳が廃棄されていた1980年代後半。「規模の拡大ではなく自分たちが育てた牛から牛乳を作り、自分たちで販売したい」という思いから、89年に赤井川村に一家で引っ越しました。
縁あって牧場で生乳の加工技術について学ぶ機会をいただき、92年に新冠に戻り、開業に向けての準備をスタート。96年6月にいよいよ施設の許可がおり、製造と販売を開始。今では、近隣町村への宅配牛乳は、おかげさまで700件を超えます。
石山牧場の牛乳はホルスタイン種から、チーズやヨーグルトなどの乳製品は乳の脂質の高いブラウンスイス種からつくられます。
西は日高町、東は浦河町まで。毎朝、約500本の瓶詰め牛乳が、近隣のまちへと運ばれます。月1回は新冠の小中学校へ。「学校給食の牛乳がおいしい」。子どもたち一人ひとりの声が、お母さんリピーターを生んでいます。(HPより転載)

事業概要
乳製品製造販売 チーズ 牛乳
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ギャラリー

ホロシリ牛乳/石山牧場鈴の鳴る道
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