ふみあと会「第3回総会講演会・親睦交流会」が開かれる

Date:2024.11.21


 酪農学園短期大学Ⅱコースの同窓会的組織、ふみあと会の第3回総会・親睦交流会が11月12日(火)、新札幌のホテルエミシア札幌で開催された。
 3年毎の開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染防止のため延期が続き2018年の第2回以来6年ぶりの開催となった。
 ふみあと会は昭和39年(1964)入学から昭和59年(1984)入学までの20期に在籍した短大Ⅱコース生を会員とした同窓会組織。夏期働きながら冬期に学ぶという実学教育を共有したことで生じた結びつきの強さから、閉コース以来実に30年を経た2016年に設立された。
 今回は全道から9期、16期など比較的若い?年代を中心とした1期から20期までの同窓生30名と、来賓として酪農学園大学副学長・髙橋俊彦氏、酪農学園同窓会会長・野英二氏が出席して開催された。
15時30分から総会・講演会が開催され、ふみあと会会長・内田和幸氏のあいさつに続き、議長に佐藤良文氏(9期)を選出、事業報告、会計報告、役員改選などが行われた。
 役員改選では若返りが図られ、会長に徳田善一氏(16期・ホクレン副会長)、副会長(会長代行)・泉澤章彦氏(16期)、副会長(事務局長)・松浦三代紀氏(16期)、副会長(事務局)・炭谷輝男(5期)、副会長・黒澤敬三氏(9期)、会計・宗万広美氏(16期)、監事・古川豊記氏(5期)、中村宗悦氏(13期)を選んだ。また元会長の山川勝氏(1期)と前会長の内田和幸氏(5期)が新たに顧問に就任した。
 引き続き行われた講演会では「北海道農業、また消費者に向けたホクレンの役割と今後の方向性」をテーマに、ホクレン代表理事副会長として主に酪農畜産部門を担当して活躍する、同窓生の徳田善一氏(16期・厚岸町)が講演を行った。
 徳田氏は、「全道のJA、農協連など119会員からなるホクレンの昨年度の取扱高は皆さまの努力の結果過去最高額の1兆6千億円に達した。その内の約半分は酪農畜産部門が占めている。一般企業と違って利益を目的としていないので利益は約25億円と少ないが会員団体への配当に力を入れている。
 酪農部門では今年前半は良かったが、後半は乳価の値上げを待っていたかのように生産資材費の上昇が続き経営が苦しい状態。結果として離農が続いている、特に問題だと感じるのは経営の比較的良いと思われる農家が離農する傾向にある。今後酪農家を減らさないようギヤを上げて頑張っていきたい。
全国の生乳生産量も減少が続き昨年度は730万トン、総需要量は1200万トンあるので500万トンが不足している。この分をチーズ、バターなどの乳製品輸入で補っている状態だ。極端に安いチーズ向け乳価を上げるよう要請して生乳生産量を回復させたい。
 北海道農業の役割は日本の食糧を守ること、その北海道農業を担う生産者を守るのがホクレンの役割と認識している。今後も若い農業者を中心とした北海道農業者の生活を守っていきたい」と、ホクレンの役割について話した。 
 また、酪農学園機農高校、酪農学園短大と学んだ学生生活に触れて「全寮制だったので上下関係が厳しく人間関係が濃密だったが、人としての大事なことを教わった。短大Ⅱコース生の中には冬期に勉強するための授業料を夏に働いて稼ぐという意欲のすごい人がいて刺激を受けた。社会に出てからは全道のJA組合長に機農高校や酪農学園の先輩が多くてびっくりした“機農高校だってな、頑張れよ”と励まされとても心強かった。先輩、同期、後輩の仲間たちに支えられて今の自分がいる」と締めくくった。
 17時30分から開催された親睦・交流会では、来賓の髙橋俊彦酪農学園大学副学長から「短大Ⅱコース同窓生には多くの子弟を酪農学園に送り込んでいただき感謝している。酪農を目指す人材が喜んで入学してくれるよう“ワクワク、ドキドキする農場”をコンセプトに農場の改修を行う。また、酪農学園がロケ地として使われたNHKドラマ“リラの花咲くけもの道”が来年2月1日から放映されるのでぜひ観ていただきたい」と、感謝の言葉とドラマの紹介が行われた。
 続いて、今年春の叙勲で「旭日双光章」(農業振興功労)を受章した、ホクレン前会長、ふみあと会会長の内田和幸氏に対して、ふみあと会からのお祝いの花束がホクレンとふみあと会で後輩となる徳田善一氏から手渡された。
 親睦交流会では、新企画としてオークションが行われ、無償提供された新米や玉ネギ、肉製品、ジャム、スープ、カレーなど農産加工品が次々と競り落とされ盛り上がりを見せた。
 その後Ⅱコース愛唱歌・北光寮歌として歌い継がれた「ふみあと」を合唱。酪農学園同窓会会長・野英二氏の音頭で万歳三唱を行い大いに盛り上がった宴を締めくくった。
 二次会は同じホテルの31階に場所を移し、酪農学園短大同窓会副会長・長谷川光男氏(9期)の乾杯で始められた。日本新三大夜景(長崎市、北九州市、札幌市)に選ばれているさっぽろの夜景を眺めながら、卒業期を超えての親睦を深めた。長時間に渡った総会・親睦会も16期生宗万広美氏の一本締めで幕を閉じた。(文責/ふみあと会事務局・炭谷輝男)